イスラムのクレジットカードには利子が無い！ – 妻子持ち中年マイラーの旅行日記

「今年はシンガポールに法人を作る予定」と以前書いたのですが、他の国も含めて改めて調査しているうちに、マレーシアも良いかなと思い始めてる適当な性格の中年マイラーです。

調べているときに「イスラムのクレジットカード」（Islamic credit card）というものの存在を知ったので、今回はそれについて書きます。タイトルは若干釣りですのでご了承下さい。

Islamic credit card とイスラム教

Islamic credit card には2つの大きな特徴があります。

いずれも、イスラムの教えを遵守するためにそうなっています。

それ以外にも、普通のクレカと比べるといくつかの違いがあるのですが、今回は省略します。

イスラム教ではお酒を飲んではいけない、豚肉を食べてはいけない、というのは多くの人が知っていると思います。そのため、Islamic credit card はお酒や豚肉を出すレストランやバー、その他ハラル認証を通っていないお店では使えません。

一方、イスラム教で利子を禁じているというのは、あまり多くの人が知らない事だと思います。

「利子がダメなら、そもそもクレジットカードは NG でしょ！」

と思うかもしれませんが、Islamic credit card では、利子の代わりに借り入れ残高に応じた「profit rate」という手数料を払う仕組みにすることで、イスラムの教えを遵守しています。

「利子はなくても残高に応じた profit rate があるなら、結局は一緒じゃ無い？」

と思った方もいるかもしれませんが、大きく違います。

一言で言うと、利子は複利ですが、profit rate は単利です。

例を使って説明します。

クレジットカードの残高が10,000円あったとします。また、（説明の簡略化のため）毎月の支払額は0円とします。支払はせず、利子だけが増えていくという形です。（※）

※: 普通はカードを止められます

クレジットカードの利率が月利1%だとすると、残高は以下の通り推移します。

一方、profit rate が1%（単利）だった場合は以下の通りです。

1ヶ月後: 残高10,000円、profit rate は10,000円 x 0.01 = 100円
2ヶ月後: 残高10,000円、profit rateは10,000円 x 0.01 = 100円
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12ヶ月後: 残高10,000円、profit rateは10,000円 x 0.01 = 100円
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24ヶ月後: 残高10,000円、profit rateは10,000円 x 0.01 = 100円
- 支払った profit rate の累計は2,400円

24ヶ月後の残高10,000円と支払った profit rate の累計2,400円を足すと12,400円です。

利子の場合は24ヶ月後に12,697円なので、 profit rate の方が支払は297円少なくて済みます。

大した額じゃ無いと言ってしまえばそうなんですが、そもそもクレジットカード毎のポイント還元率の差も大した額じゃ無いですし、それに一喜一憂している我々マイラーにとっては、こうした細かい違いも重要かなと。

「イスラム教徒しか持てないんでしょ」

と思われるかもしれませんが、イスラム教徒以外でも Islamic credit card の申し込み、所持が出来るようです。

「利子が複利では無く単利である」というメリットを享受したいのであれば、検討する価値はありそうです。

「Islamic credit card やるじゃん。是非持ちたい！」

と思った人もいるかもしれませんが、残念ながら日本国内では発行されていないようです。日本人のイスラム教徒はほとんどいないからだと思います。

最初に触れたマレーシアには多くのイスラム教徒がいるので、こうしたカードが発行されています。また、UAE など他のイスラム教国でも、同様のカードが発行されています。

日本では（多分）発行されていませんが、Islamic credit card は利子が単利、ハラルでないお店では使えない、という特徴を持ったカードです。非イスラム教徒でも持てるので、イスラム圏・イスラム教徒が多い国に住んでいる人であれば、カードコレクションに加えてみてはどうでしょうか。